断熱材を徹底比較!最優秀は、どれ?

断熱材性能比較実験 Air断の家は高気密・高断熱

「高価格の断熱材が入っていれば安心」そう思っていませんか?
5種類の断熱材を徹底比較。驚く実験結果をご報告します。

実験概要

この実験では、断熱材では代表格の以下5種類を、40cm角プラスチックボックスに入れ、3階ベランダに放置しました。
中心に温湿度センサーを設置して、24時間365日、温度と湿度を記録しています。

1.フェノールフォーム
2.スタイロフォーム
3.発泡ウレタン
4.セルロースファイバー
5.グラスウール

熱伝導率が低い順に、つまり断熱性能が高い順に並んでいます。

グラスウール VS フェノールフォーム

では、内部温度を見ていきましょう。

こちらが2020年1月15日のグラスウールとフェノールフォーム温度の推移です。

グラスウールとフェノールフォーム比較(1月)
グラスウールとフェノールフォーム比較

太陽光の影響を受け始める9時ごろから、温度が上昇し始めますが、フェノールフォームの方が温度上昇が遅れています。この部分を見ると、フェノールフォームは太陽光温度上昇に影響されにくいと思いがちですが、データを遡ると、そうではないと分かります。

1か月前と、2ケ月前の温度推移がこちらです。

グラスウールとフェノールフォーム比較(11月、12月)
フェノールフォームの断熱性能に影が?

温度上昇の遅れは変わりませんが、フェノールフォームの方が温度の上限と下限が広がってきました。
つまり、グラスウールよりもフェノールフォームの断熱効果が若干ですが低い、ということが、データから読み取れます。

さらに遡り、夏真っ盛りの8月と、梅雨明けの7月のデータがこちらです。

夏のフェノールフォームの温度が高い
フェノールフォームの方が暑い

最高温度ではグラスウールより2℃高い温度が記録されています。

熱伝導率が低い=断熱性能が高いとされるフェノールフォーム。実際の温度測定では、5つの材料のうちで最も性能が低いと言われる安価なグラスウールよりも、悪い結果が記録されました。逆の結果となった訳です。
これはつまり、【熱伝導率だけで断熱材の性能を判断することは間違い】であるということです。

最優秀は、どれ?

以下は、7月15日の5つの断熱材の温度推移をまとめたものです。

グラスウールは高性能
グラスウールの下剋上!

最高気温を記録した12~15時の間、グラスウールが最も低い温度をキープしたのです。
参考までに、各断熱材の最高気温とグラスウールの温度差は、下記の通り。

セルロースファイバー:4.5℃
発泡ウレタン:5.1℃
スタイロフォーム:10℃(!!)

熱伝導率の性能から言えば、私たちの認識と全く違うデータが記録されました。
これはいったい、なぜでしょう?
私たちは熱伝導ではなく、放射と対流による影響を受けているからだと判断しています。

熱の伝わり方には
1.伝導
2.放射
3.対流
の3種類があります。

伝熱方法は3種類
熱の伝わり方は3通り

【熱伝導率】は、名前の通り伝導性能だけを数値化したものです。しかし実験のデータには、伝導ではなく放射や対流による温度の上下が記録されています。
プラスチック箱の内部では、対流は発生しにくいので、【放射】による影響があったと判断しています。つまり放射や対流を考えないと、断熱性能のアップにはつながらないということです。

続いて、秋から冬にかけての温度変化を見てみましょう。

スタイロフォームは寒さに弱い
秋冬もグラスウールは優秀

寒さが厳しくなる11月。真っ先に最低温度10℃を切ったのは、スタイロフォームでした。グラスウールが最も温度が下がりにくく、朝7時に11.6℃。同じ時間でスタイロフォームは7.2℃と、4.4℃の温度差が出ました。
このデータから言えることは、【グラスウールの断熱性能が最も高い】ということです。

熱伝導率だけでは測れない

グラスウールの熱伝導率 0.04w/m・k
フェノールフォームの熱伝導率 0.024w/m・k

数値だけで見ますと、倍近い差がありますが、これを仮に重さに置き換えてみましょう。
グラスウール 0.04g
フェノールフォーム 0.024g
・・・人が違いを感じられる重さではありません。

同じように、2つの熱伝導率も、人が体感できる差では無いのかもしれません。また、熱伝導率よりも放射や対流の方が熱を伝えやすいため、この点を考慮しなければ、断熱性能の高い家を作ることはできないと我々は判断しています。

このデータは、あくまでプラスチックの容器に断熱材を入れて計測したものです。住宅で同じことが起きているとは断定できません。しかしながら、熱伝導率だけで断熱材を判断するのは問題があると思われます。

ロックウールも追加実験

最後に、ロックウールを使い続けてきた工務店から、『ロックウールはグラスウールよりも断熱性能が高いはず』との指摘を受け、2019年12月21日からロックウールの実験も開始しました。

ロックウールの性能は?
ロックウールはグラスウールより高性能?

こちらがロックウールとグラスウールの温度推移です。

ロックウールの実験
グラスウールが圧勝

グラスウールに比べると、2.2℃悪いという結果です。性能的にはセルロースファイバーと同等です。

今後も長期的にテストを続け、結露などの影響も調べて報告します。ちなみに、現在テスト中の断熱材すべてで結露などの被害は全く生じていません。

Air断リノベーションは断熱材を使いません。捨てている空気が断熱材の代わりに。高い断熱性能を誇っています。
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